2005年02月18日

特に、為替投資をされる方にとって金利というのは、非常に影響度の高い事象です。ただし、見せ掛けの金利に騙されると失敗します。例えば、今現在日本の金利は公定歩合で見るとほぼ0%です。対してアメリカのFFレートは2.5%(05年02月18日現在)となっています。日本の金利よりも米国の金利の方が高いのに、何故円安にならないのでしょうか?

勿論、為替レートは金利だけで決定されるわけではなく、他の要因によっても動きます。米国の場合04年後半から双子の赤字が意識される中でこのような円高にすすんだとも言えます。

しかし、金利差というのも非常に大きな要因であることを考えると金利という面も考える必要があります。

そこで理解しておきたいのが「名目金利」と「実質金利」があります。

普段私達が言っている金利とは名目金利、つまり目に見える金利です。
対して、実質金利とは、インフレ率を考慮した金利になります。

インフレ(インフレーション)とは通貨価値の値下がりです。デフレ(デフレーション)は逆に通貨価値の値上がりいなります。

例えば1%インフレになるということは、今年100円で買えた物が来年は101円でないと買えないわけです。
逆に1%のデフレならば、今年100円で買えた物が来年は99円で買えるということになります。

では、この話を金利につなげると

今年100円を年利1%で預けたとします。このとき、1%インフレなら、実質金利は0%。逆に1%デフレなら、実質金利は2%になります。

つまり、
円の金利は0%(1%のデフレ)=実質金利は1%程度
ドルの金利は2.5%(1%以上のインフレ)=実質金利は1%程度
となることから、そこまで大きな金利差はないという事になります。(実際、米国のインフレ率は昨年一年を見ても、1%を割った事はありません)

ただし、今後も緩やかなペースでの利上げが考えられていますので、今後は実質金利差も大きくなる可能性はあります。