格付と株価の関係について
高格付け企業の株価は将来上がると思いますか?下がると思いますか?非常に漠然とした質問で、これだけじゃ答えは出せないと思う方も多いでしょう。ただ、本質的な格付けという意味と株価の違いを理解するうえで必要と思いますので、ちょっと考えてみてください。
そもそも、企業の格付けはどのようにして出されるのか?ということを考えなくてはなりませんが、格付けとは、将来の債務履行についての安全性を示す指標と考えてよいでしょう。
不況の時代には、いつ会社が倒産してもおかしくないわけですから、高格付け企業であるほど、将来の安全性が保障されているという面から株価に対してはプラスの影響を与えるでしょう。
しかし、もうちょっと突っ込んで考えると、もっとも安全性が高い企業とはどういう企業でしょうか?
それは、銀行からの借り入れ0円、保有している資産のほとんどは現金預金。
という状況でしょう。つまり、「冒険をしない」企業ということになります。
新しい、イノベーションをおこすには、先行投資も必要でしょう。巨大な設備投資が必要になることもあります。新天地の開拓のために、外国に営業所を設ける必要もあるかもしれません。新しい人材を雇うことも必要でしょう。
しかし、借金ゼロ、資産の大半は現金という状況は、たしかに、安全ではあるかもしれません。しかし、企業の成長理論からいうと、産業は生まれ、育ち、成熟し、廃れる。というサイクルがある以上は企業は常に新しい成長産業を生み出していく必要があるはずです。
たしかに、安全性は重要です。ですが、株式投資という視点から見るなら毎年まったく成長しない企業よりもリスクはあるが、そのリスクをとって新しい事業を成し遂げようとする企業の方が魅力的です。株価も成長の余地があるでしょう。
長い不況の中で私たちは安全な企業にしか投資できない。という状況が続いてきました。しかし、徐々に景気が回復する中で、本当に高格付け企業の株に投資することが最善でしょうか?もう一度考える必要もあると思います。
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