グローバルソブリンと毎月分配型ファンド
グローバルソブリンオープンは現在日本で最も購入されている毎月分配型の投資信託です。毎月分配型の投信は本当に得かどうかについては、以前も「毎月分配型投資信託はホントにお得?」で述べましたが、今回はもう少し突っ込んだところまで分析していきます。
6月16日現在のグローバルソブリンオープン(毎月決算型)の基準価格(時価)は
1口7,842円(モーニングスター社)と発表されています。
直近の分配金は40円ですから、年間の利回りに換算すると、6.12%(税引き後4.89%)となり、グローバルソブリンオープンは非常に高いリターンをもたらしているようにみられます。
グローバルソブリンオープンが作られたときの基準価格は10,000円ですから、現段階で既に、21.58%の元本が減少している計算になります。設定当時にこのグローバルソブリンを購入したとすると、先ほどの利回りは利回りは4.8%(税引き後3.84%)のまで下落します。
これは、ある理由があります。グローバルソブリンオープンに限った事では有りませんが、こういった毎月分配型の投信の分配金は、投資した債券からのクーポン(利子)を基本的に分配金の源泉としていますが、グローバルソブリンオープンの場合、それ以外も元本からの払い出しも同時に行っています。つまり投資したお金を返金しているに過ぎないという事になります。
この元本の返金を行うとどのような現象がおきるのかというと、先に購入した人の元本部分を後に買った人に配分する形となり、後に投資すればするほど前に投資した人の元本が貰える形になる為、お得ということになります。
また、経済的に元本の払い戻しを行っている形になる為、常に資金が流入し続けなければ制度自体が崩壊してしまいます。(縮小均衡に向かう為)
毎月分配型の投信を購入する際は、分配金の金額だけをみるのではなく、基準価格(元本部分)がどの程度変動するのか?ということも含めてしっかりと検討する必要があります。
今回グローバルソブリンを取り上げたのはあくまでも参考で取り上げただけでグローバルソブリンを投資対象として推薦したり、批判したりするつもりは一切ございません。国際投信のグローバルソブリンオープンへの投資判断については、各投資家の自己責任でお願いします。
|