対面証券とネット証券の行く末について
2005年04月17日
ちょっと遅いトピックスですが、大和証券がオンライントレードにおける株式委託手数料を大幅に引き下げました。また、同時に楽天証券なども手数料を来月より大幅に引き下げる予定になっています。
いわゆるディスカウントブローカーである楽天証券が株式委託手数料を引き下げることについては、あまり大きな話ではありませんが、大手証券の一角である大和証券が手数料を引き下げる事は大きな意味があることと思います。
恐らくなんらかの形で、最大手の野村證券においても株式委託手数料の引き下げは行うことと思います。
これまで、大手証券は情報の提供、コンサルなどを行うことで、代わりに高い手数料を徴収するという形をとってきましたが、今後は手数料競争に大手証券も算入する事は確実でしょう。
このニュースに戦々恐々としたのは恐らくネット証券側でしょう。そうはいってもまだまだネット証券の方に手数料面では分がありますが、対面証券においてもメリットは多数あります。例えば、電話での質問や実際の投資アドバイスを受けたいなどのニーズは少なからずあると思います。
必ずしも米国と同じ流れに進むとは限りませんが、米国でも一時ネット証券が幅を利かせていた時代がありましたが、メリルリンチ証券がネット取引の手数料を引き下げた事により、ネット証券側が対面営業にも乗り出すという形になり、対面証券とネット証券の区分が非常に曖昧になりました。
日本においても先日「イートレード証券」が対面営業部隊を作るというニュースを発表しております。
こういった形で、今後日本においても証券会社再編や提携、新規分野への進出は間違いなくスピードアップしていく事と思います。
さて、それでは対面営業を固守する大手証券については、今後も縮小はするであろうが、対面営業は続けていく事でしょう。今現在の富裕層はやはり高齢者に偏っているのが現状であり当該富裕層はどうしてもインターネットというものに慣れていないのが、現状でしょう。
今の現役世代が退職する頃には、またかわっているとは思いますが、現段階においては、高齢者はネット証券よりも対面証券を利用する方が多いようです。
ただし、前述したように、今の現役世代が世代交代するとき、果たしてそういった富裕層が対面証券を利用するのか?今後の大手証券のリテール部門の行く末はそこで決まってくるでしょう。
確実性の高い話としては、大手証券はプライベートバンク化し、超がつくような富裕層を相手として金融工学を駆使したヘッジ商品の提供。つまり資産を増やすことではなく保全する事を目的としたような営業に変わっていくのではないかとかんがえます。
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