外貨預金(外貨投資)のリスクと期待収益率
外貨預金を始め外貨投資を行う投資商品として「外貨MMF」や「FX」などが挙げられます。こうした外貨投資において広く勘違いされている(させられている)のが外貨投資のリスクとリターンの関係です。
外貨預金(外貨投資)のリスクとは?
外貨預金におけるリスクは過去の為替レートの変動率の大きさで分析することができます。えのと米ドルの通貨ペアであれば、変動率はおおよそ10%程度となっています。
この変動幅がいわゆる「為替リスク」となるわけです。
つまり、概ね為替レートは1年間に10%程度動く可能性があるというわけです。これがリスクなわけです。もちろん自分に都合の良い方向に動けばリターンは得られるわけです。
でもこれはどちらにも動く可能性があるという話であり、確実な運用ではありません。
「50%の確率で10%プラスあるいはマイナスになる金融商品」
を買うかどうか?といわれたら大抵の人は購入しないとはずです。
投資においては「期待収益率(期待リターン)」というものを投資家は求めます。これは特定の資産に投資をするときに平均的に得られるリターンのことです。
(参考:期待収益率とは)
日本の年金機構が計算している国内株式の期待収益率は4.0%です(平成20年)。
じゃあ、外貨投資の場合はどうなのか?
外貨預金(外貨投資)の期待リターン
これは、立場を考えてみたらわかります。
為替相場は「ゼロサムゲーム」のページでも説明しましたが、それぞれの通貨を買って売る人がいて初めて成立します。
円を売ってドルを買う投資家もいれば、ドルを売って円を買う投資家も存在するわけです。為替はゼロサムなわけですから、そう考えると期待リターンがそれぞれプラスになるということはあり得ないということが直感的に分かってもらえるのではないでしょうか?
じゃあどうするべきなのか?
基本的に外貨投資というものは、外貨自体に投資をしてリターンを得るというタイプの投資ではないということを理解する必要があります。
そのため、投資として行うのであれば「外国株式」といったように少なくとも期待収益率(期待リターン)がプラスの商品へと投資をするべきです。
ただし、外貨そのものへの投資を否定するわけではありません。一つとしてはポートフォリオのリスク分散効果は存在します。多くの日本人投資家は円(日本円)という資産に資産の大部分が偏って存在しているのが現状だと思います。そう考えたとき、一定の資産が外貨として存在していることに価値はあります。
その場合は、できる限り少額ずつの積立投資がおすすめです。ドルコスト平均法が働きますし、長期的な資産形成に優れます。
個人的には「ソニー銀行の500円外貨積立預金」などはおすすめです。為替コストは多少高いですが、超少額から始められるというのは魅力だと思います。
コラム一覧
専門用語についてはできるだけ解説を加えながら株式投資や経済について管理人が感じた事をコラムにしていきます。
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