不動産投資の意義
ここまで、不動産投資(持ち家)と賃貸には優劣の差が全く無い事について議論してきました。また、収益還元法という、不動産の価値を正当に検算するための方法についても検証を加えてきました。そこで、最終結論として、これらの知識を活用しながら、結局不動産投資はするべきかしないべきかについて議論し、結びに代えたいと思います。
金融資産としての不動産投資
ここでは、不動産投資と株式投資について比較していきます。とは、いっても株式の個別株では、パフォーマンスに差が大きすぎて議論しにくいので、ETFのように、日本株全体に投資するとしておきます。
仮定として、不動産投資は大部分の人がそうであるように、ローンを組んでいると仮定しておきます。それでは、不動産投資におけるパフォーマンスは大まかに以下の要因によって決まります。
賃料と株価
地価上昇率>株価上昇率となれば不動産投資が有利、逆なら株式投資が有利
金利
金利が上昇すると、借金をしてローンを組んでいる不動産投資が有利(ただし、ローン金利が変動金利の場合はキャッシュアウトが増大する。
インフレ・デフレ
インフレになると、借金をしている方が有利。逆にデフレになるとその逆になる。
これ以外にも、戦争や災害などの特殊要因、景気循環などの要因もあります。
さて、これを考えた場合、不動産投資に別段の意義(他の投資と比較して格段に投資する意義が高いということ)を見出す事は難しいです。バブル崩壊以後、株価は下がっていますが、土地も断続的に下がってきています。
不動産投資をしていく上でのデメリットについて考えてみると
@手数料が株式等、他の金融商品と比較して高い。
A流動性が低い
B少子高齢化の進展により、マンション等個人が投資しやすい不動産の需要が減少する。
という以上の点から不動産投資を行うことについては全面的に賛成する事はできません。
近年REIT(リート)と呼ばれる「不動産投資信託証券」が販売されています。不動産投資信託証券は、上で挙げたデメリットである。手数料、流動性の面で不動産に直接投資していくよりも、優れています。
また、不動産投資信託証券の場合、投資対象もマンションなどに限らずオフィスビルなどについても投資していくので、少子高齢化の影響を受けにくいといえます。
詳しくは、「不動産投資信託証券」をごらんください。